[2022年2月25日 更新]
2022年度都立一般入試では男女別定員制の緩和が全普通科高校で行われた。
しかし普通科単位制の都立高校は従来より男女別の定員制を採っていない。
専門学科と同じく、男女の差なく合否を決めている。
2年後から単位制以外の普通科でも男女別定員を取りやめる方向なので、普通科単位制の動向は気になるだろう。
今回は2022年度一般入試の男女別受験者から、2年後の都立入試の様相を考えてみる。
◆11校のうち、男子受験者が多いのは2校
2022年度一般入試の受験者数は以下の通り。
男子 | 女子 | |
新宿 | 287 | 319 |
墨田川 | 134 | 164 |
国分寺 | 227 | 202 |
忍岡 | 61 | 74 |
美原 | 81 | 94 |
芦花 | 132 | 292 |
飛鳥 | 77 | 137 |
板橋有徳 | 89 | 34 |
大泉桜 | 61 | 112 |
翔陽 | 118 | 119 |
上水 | 101 | 161 |
定員割れは板橋有徳のみ。
すでに全入(受験者全員が合格)と2次募集実施が確定している。
11校のうち9校は男子より女子受験者が多い。差が顕著なのが芦花高校。160名も女子受験者が多い。
◆男子の方が合格率は高い
では合格率はどうか。
2021年度入試の結果を見てみよう。
男子数/合計数(男子の割合) を現している
新宿 受験→240/487(49.3%) 合格→142/288(49.3%)
国分寺 受験→206/419(49.2%) 合格→130/257(50.6%)
墨田川 受験→99/223(44.4%) 合格→99/222(44.6%)
忍岡 受験→49/116(42.2%) 合格→49/116(42.2%)
美原 受験→82/149(55.0%) 合格→82/149(55.0%)
芦花 受験→116/372(31.2%) 合格→70/222(31.5%)
飛鳥 受験→51/146(34.9%) 合格→51/140(36.4%)
板橋有徳 受験→74/128(57.8%) 合格→74/128(57.8%)
大泉桜 受験→33/121(27.3%) 合格→33/121(27.3%)
翔陽 受験→110/219(50.2%) 合格→86/160(53.8%)
上水 受験→97/254(38.2%) 合格→62/159(39.0%)
青字の忍岡、美原、板橋有徳、大泉桜は定員割れ。墨田川も1名しか不合格にならずほぼ全入。よってこの5校は除外して考える。
なんと6校すべてで男子の割合が、受験数より合格数で上昇している。
端的に言えば「男子の方が優秀な成績を修めている」のだ。
これは意外。
通知表の点は、同じ学力レベルなら女子の方が高い傾向にある。
だから一般入試では女子有利と考えていた。単位制高校からはその傾向は見られなかった。
残念なことに、普通科単位制では「真ん中よりちょっと上」の高校が墨田川しかない。その墨田川はほぼ全入なのでデータは役立たない。
目黒、井草、豊島あたりのレベルなら、まず女子の方が総合得点が高いだろう。2年後に男女別定員が廃止されたら「女子有利」になるはず。
新宿や国分寺のような上位校は男子の方が合格率は高い。
最上位の日比谷高校は例年、女子より男子の方が学力検査の平均点は高いことが分かっている。
進学研究会のデータによると、合格者平均偏差値は女子より男子が高い。調査書点は逆。これにより男女別定員が廃されても、日比谷が男子校状態になることは考えにくい。ただし学力面だけで比較すれば男子の方が女子より高い傾向になると予想される。
高校入学時に調査書点で下駄を履かせてもらっても、入学後に調査書点はまず意味をなさない。入ってから男子が上位を占めることになりそうだがいかがなのだろうか。
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