[2022年2月23日 更新]
都立高校一般入試が終わった。
受験生はしばしの休息をとって、すぐに高校の予習をすることをお薦めする。
「高校受験がゴール」と思っている阿呆がまれにいるが、それが許されるのは高校卒業後に進学も就職もしない場合。
大学進学を考えているなら、とっくに大学受験のライバルはスタートしている。私国立の中高一貫校に通う面々だ。彼らは小学生時代に数年間の受験勉強を経て中学に進み、区立中学校よりはるかに速いペースの授業を受けている。同い年でも高校数学はとっくに始めている。ただでさえ都立高校を受けたキミらは遅れているのだ。今日から始めても遅い部類と考えよ。
ただし今は大学全入時代と言われる。「どの大学でもいい」と考えているなら気楽に高校生活を楽しめばいい。
◆欠席率の王者は日比谷高校
令和4年度の都立一般入試の欠席率を並べる。
都立高校は「合格したら必ず入学する」というのが暗黙のルールになっている。入学辞退しても本人にペナルティはないが、行きたい私国立高校に合格しているなら都立高校入試は欠席するよう、中学校の先生にも言われるだろう。私もその通りだと思う。
都立高校受験を欠席した人は、他の高校に進学を決めたか病欠のどちらか。
普通科高校で、欠席率の上位10校は以下の通り
<男子>
日比谷 24.5%
目黒 19.0%
白鴎 19.0%
西 16.7%
豊多摩 15.6%
雪谷 14.1%
調布北 13.9%
田園調布 13.9%
小平 13.7%
広尾 13.5%
日比谷が例年通りトップ。開成高校や国立(こくりつ)高校との併願が多い。
ただし2021年度は大泉高校が欠席率31.7%(13名)でトップ。日比谷は27.6%(82名)だった。
<女子>
日比谷 12.5%
田柄 10.6%
大崎 9.7%
田園調布 9.6%
八潮 9.2%
白鴎 8.9%
杉並 8.0%
目黒 7.6%
戸山 7.0%
豊島 6.6%
女子も日比谷がトップ。区部ばかりが並ぶ。
男子とは違い欠席率が全体的に低いので、もともと欠席率の高い学力最下層の高校もちらほら見える。多摩地域で最高は調布北(6.5%)
男子と違い、豊多摩(6.5%)や雪谷(5.4%)や西(4.8%)や広尾(4.0%)はそこまで高くない。
<専門学科>
科学技術 34.0%
総合芸術(音楽) 27.6%
国際 17.1%
ちょっとだけピックアップする。
科学技術高校は、都立産業技術高等専門学校(都立高専)も受けるケースが多い。
都立高専に合格したら都立高校を受けてはいけないので、都立高専合格者が欠席しているわけだ。2021年度も欠席率は31.8%と高く、毎年の出来事。
多摩科学技術高校は15.1%
総合芸術高校 音楽科も他の私立に受かっている子が欠席をする。
藝高(東京藝術大学音楽学部附属高校)は1月末に合格発表があるので、
藝高合格→都立辞退にはならない。
なお総合芸術高校 音楽科は今年定員割れになり、受験者21名全員が合格する。
国際高校はICUや青山学院など他の私立に受かったらそちらに流れるのだろう。
國學院や明治学院との併願者が多いが、この2校は第二志望以下。国際高校に受かったら国際に入るので、欠席率には影響ない。
◆欠席ゼロは女子が多い
普通科で欠席ゼロだったのは以下の高校。男子は1校のみだ。
<男子>
八潮
<女子>
深沢
足立新田
葛飾野
八王子北
多摩
五日市
秋留台
東村山
◆欠席率に注目しなくていい
我々プロは欠席率の推移も含めて合格のしやすさを判断しているが、普通のご家庭はそれを気にせずとも、模試の判定を目安にすればよい。欠席率も考慮しての判定になっているのだろうから。