[2025年1月6日更新]
赤羽北桜高校は2021年春に開校した、2番目に新しい都立高校である。
(一番新しいのは2022年春開校の小台橋高校)
全日制の専門学科高校で
・家庭学科 保育・栄養科
・家庭学科 調理科
・福祉学科 介護福祉科
の3コースがある。
◆人気があるのは調理科
赤羽北桜の前身は都立赤羽商業高校。赤羽商業は2018年度から生徒募集を停止し、2020年3月末で閉校した。
赤羽北桜の初代校長は富川麗子氏。被服を専門とする家庭科の先生である。
初年度(2021年度)の一般入試は、全コースで倍率が出た。
保育・栄養科 1.21
調理科 1.88
介護福祉科 1.35
初年度は先行きが不安なため敬遠されがち。
だが赤羽北桜への期待が高かったのだろう。
だが2年目から歯車が狂い始める。
保育・栄養科は募集クラスが2つ増えて4クラスに。他の科は変わらず1クラス。
結果、大幅な定員割れを招く。2022年度一般入試の実倍率は
保育・栄養科 1.00
調理科 1.38
介護福祉科 1.00
保育・栄養科は2次募集で72名の定員を設けるも受験者は3名。全員が合格している。
介護福祉科は6名の定員があったが応募はゼロ。
開校して丸一年で初代校長は異動。2代目は南葛飾高校から着任した佐藤幸司氏。だが氏も2年で異動してしまう。
2023年度の一般入試も低迷が続く。
保育・栄養科 1.00
調理科 1.73
介護福祉科 1.00
調理科はマトモな受験になっている一方、保育・栄養科と介護福祉科は全入(受験者全員が合格)が続いた。この2科は2次募集でも定員割れ。
2024年度の一般入試も状況は同じ。
保育・栄養科 1.00
調理科 1.92
介護福祉科 1.00
調理科は過去最高倍率を記録。保育・栄養科と介護福祉科は3年連続で定員割れ。むろん2次募集も定員割れ。
残念ながら調理科以外は、このまま不人気が続くとみられる。
理由はシンプル。
調理科は高校卒業と同時に調理師免許を取得できる。18歳になったら社会に出て働くこともできる。
保育・栄養科は、高校卒業時に保育士や幼稚園教諭の免許はもらえない。4年制大学や短大に進学する必要がある。「だったら高校は普通科でいいんじゃね?」と中学生は考えるだろうがその通りだ。
100%、高校卒業後は保育士や幼稚園教諭になるための道に進むと決めている中学生なら構わない。やりたいことが変わる可能性も考慮すれば、選択肢の多い普通科を選ぶのは道理と言えよう。それでも決して遅くない。
介護福祉科は、高校卒業時に介護福祉士の資格を得ることができる。
2024年春、1期生は34名全員が介護福祉士国家試験に合格している。
参照:赤羽北桜高校サイト
だが14~15歳の少年少女が果たして、将来は介護の仕事をしたいので高校で介護を学びたいと夢見るだろうか。もちろんそういう子がゼロだとは思わないが極めて少数だろう。2024年一般入試で5名しか受験者がいなかったのがその証左だ。
介護福祉科は間違いなく、2025年度も全入になるだろう。
◆進路実績を載せようよ
赤羽北桜のWebサイト「進路指導」ページには1期生の進路実績が一切ない。パンフレットには載っており、パンフレットのPDFから知ることは可能。
https://www.metro.ed.jp/akabanehokuo-h/assets/pamphlet/pamphlet-pdffile-493.pdf
高校のサイトを見に来る中学生保護者が知りたいのは「高校卒業後、先輩はどんな進路を選んでいるのか」。
せっかく1期生が出してくれた実績。アピールしない手はないとせつに思う。
都立に入る! Twitter (X) そのときに必要な情報をこっそりと。ミンナニナイショダヨ
@toritsukoko