都立高校入試数学の法則<13> 正答率の傾向

[2025年1月10日 更新]
今回は数学で何問、正解すべきかを考察する。

都教育委員会は毎年、各教科の都立入試平均点を出している。
同時に、各問の正答率も公表している。
平均点についての詳細は、過去記事をご覧いただきたい。
<過去記事:都立高校入試 平均点の推移(2003~2019年度入試)

◆正答率80%以上の問題を落とすな 
問題を解くときに「この問題の正答率は低いだろう(=この問題は難しいだろう)」という情報は問題用紙に書いていない。当たり前だ。

よって自分で、その問題が易しいか難しいかを判断しなければならない。

ただし数学は別。
どれが難問なのかはある程度、見当をつけやすい。

難しい問題は解かずに捨てる。80点を目指す者はこの「捨てること」が必要になる。安定して80点を取りたければ捨てる作業は不可欠だ。

◆正答率ごとの得点を見る

過去10年間の都立入試共通問題、数学の正答率とその点をまとめた。

例えば2019年度入試、正答率95%以上の問題が5点分(1問)出されたということ。正答率10%未満は12点分だ。

正答率20%未満の問題が15~22点分。これが80点を目指す際に捨てる問題なのは分かるだろう。

ではそれがどの問題なのか。
ズバリ、
大問2の2問目
大問3の3問目
大問4の3問目
大問5の2問目 である。

大問1を除く、各大問の最後の問題だ。

過去5年間で、正答率20%未満はこの4問でしか記録されていない。

とりわけ大問4と大問5は正答率が飛びぬけて低い。
過去5年間で一度も正答率20%を超えたことがなく、3回は正答率1ケタである。
90点以上を狙う場合を除き、大問4と大問5の最終問題は敬遠することを薦める。
その時間を他の問題に充てよう。

もし1問ごとの正答率が知りたければ、以前まとめたのでそちらを参照されたい。
<過去記事:2019年度 都立高校入試平均点 その2「数学編」

◆80点を目指すなら、大問3の3問目を取れ
関数の3問目は比較的解きやすいものが多い。

大問4と5の最終問題を捨てて浮いた時間は、この問題に費やすといい。

逆に大問1の問1~6は、絶対に落とさないこと。
ここで1問ミスしたら即不合格になる。その覚悟で臨もう。