都立高校商業科の倍率の推移

[2021年3月4日 更新]
2021年度の都立高校一般入試・実倍率を見ていく。

今回は商業科、ビジネスコミュニケーション科の過去8年間の推移を見ていこう。

◆商業科は低迷

都立の全日制商業科は7校。
芝、第一、第三、第四、葛飾、江東、第五。

2021年度は6校が定員割れで全入(受験者全員が合格)だった。
芝 定員114名 受験88名
第一 定員147名 受験102名
第三 定員123名 受験107名
第四 定員123名 受験65名
葛飾 定員147名 受験93名
江東 定員123名 受験106名
第五 定員147名 受験189名

唯一、第五商業高校だけが倍率が出ている。

189名が受けて149名が合格した。実倍率1.25倍。
他の高校は定員割れのため、二次募集を行う。
2020年度は芝、第三、第四、江東の4校が2次募集を行った。

結果は4校とも全入。

江東商業のみ25名募集で26名が受験と、全入にならない可能性はあったがめでたく全員が合格している。

◆千早は倍率が出すぎた
ビジネスコミュニケーション科は、全国で千早と大田桜台の2校しか存在しない。

その2校だが大きく差がついてしまっている。

大田桜台は2018~2021年度の4年連続で定員割れ。
2021年度は123名の募集に対して88名しか受験者がいなかった。

千早も2018年度は全入だった。2019年度からは1.25→1.29→1.36と実倍率が向上している。
入りやすいのが売りでもある専門学科で実倍率1.36倍はちと高すぎる。だったら第一商業や第四商業の方がいい。ほぼ確実に全入だからね。

千早と大田桜台の違いは立地だと思っている。
千早は東京メトロ有楽町線、副都心線の千川駅から徒歩7分。住宅街を歩くので信号待ちもほぼない。

西武池袋線の東長崎駅からでも歩いていける。西東京市や東久留米市や清瀬市からも電車一本で通えるのは強い。

千川・東長崎とも池袋駅から2駅と至近である。

http://www.chihaya-h.metro.tokyo.jp/site/zen/content/000387003.pdf

一方大田桜台は都営浅草線の西馬込駅から徒歩10分。
東急池上線の長原駅からも歩けるが20分くらいかかる。
地元民は電車より自転車通学が便利だろう。千早と違い、遠方から集まるイメージがない。

自転車で通う人は駅から遠くても問題ない。雨雪の日が大変だけど。

立地が悪い高校は「お買い得」と言える。
逆も真なり。三田高校とかね。