都立高校入試数学の法則<6> 1次方程式の解は整数のみ?

[2025年4月15日 更新]
◆都立入試の1次方程式の傾向

2003年から2025年度までの大問1(4)、1次方程式とその解答をまとめた。
なお2002年度以前は、1次方程式のかわりに1次不等式が出されることもあった。

過去23回のうち、

( )のある式 12回
( )のない式 11回

解が正 13回
解が負 10回

解が整数 22回
解が分数 1回

また、
・( )の前の係数は必ず正の整数
・( )は1つの式に1カ所のみ。2017と2023年度以外はすべて右辺に( )がある

という傾向があった。

あくまで傾向ではあるが、知っていて損はない。

◆正答率は9割以上。しかし…
過去13年分の正答率を並べた。

2024 93.5%
2023 90.4%
2022 87.3%
2021 84.6%
2020 93.2%
2019 88.3%
2018 88.4%
2017 91.2%
2016 93.0%
2015 91.4%
2014 93.4%
2013 95.4%
2012 92.9%

例年90%を超えていたのだが、2018年度以降は90%を下回ることが増えた。
2018年度に正答率が急落した原因は間違いなく「解が分数だった」から。
過去問ではずっと整数解だったのに、急に分数で答えが出たら「あれ、間違えたかな?」と誰もが戸惑うだろう。

これからの受験生はラッキーだ。
分数の解の可能性があることを知っているためである。
今後も分数の解になるかもしれない、と心得ておこう。

なお「1/2」や「1/4」など、割り切れる小数(有限小数)で表せる解になるとは考えにくい。
解が「分数でも小数でも表せることになる」から。

例えば解が「1/4」なら、「0.25」でも正解になる。
「1/16」だったら「0.0625」である。
採点ミスを防ぐため、シンプルな解にしたほうがいいに決まっている。

だから
割り切れない無限小数が都立入試の答えとして出る可能性がある と思っておこう。

◆2025年度、分数式が出た
今年2025年度は、1次方程式に分数が使われた。

過去にないパターンだったので、低学力層にとっては厳しい問題だったかもしれない。正答率はまだ発表されていないが90%以下なのは間違いない

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@toritsukoko

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