2026年度 都立高校受験の基本<5> 定員割れは全員合格

[2025年10月12日 更新]
都立高校受援では合格最低点というものはありません。

受験者を総合得点の高い順に並べ、合格者を決めます。決められた定員に達したらそこでスパッと切る。
シビアだが分かりやすい世界です。

では定員より受験者が少なかったらどうなるか。
一般的に「定員割れ」と呼ばれ、都立高校では全入(全員が合格し入学許可を得られる)となります。

2025年度一般入試で全入だった高校については、過去記事でまとめました。

<過去記事:【確定版】 2025年 全入だった都立高校一覧

推薦入試ではほとんど定員割れにはなりません。募集人員が応募者に比べて少ないから。
それでも2025年度は深沢、田柄が推薦入試で全入でした。

◆実倍率を見よ
応募倍率受検倍率というものがあります。
定員に対しての割合を示したもの。

例えば2025年度一般入試、日比谷高校なら
定員253
応募数507 → 応募倍率2.00
受検数396 → 受検倍率1.57
合格数272 → 実倍率1.46

応募(=出願)はしたけど、他の国私立高校に受かったから日比谷は受けないという子は入試は受けずに欠席します。

だから応募数より受検数が少なくなる。
上位校ほど欠席する割合は高い。

定員132名だが、合格数は142名。

都立高校は定員よりやや多めに合格者を出します。たいていの都立は3~5名だが、日比谷高校は合格しても入学辞退する子が一定数いるので他校より多く合格させています。

受験校を選ぶ際、過去の実倍率は見ておく方がいいでしょう。

三田、青山、新宿など倍率が高めの高校もあれば、八潮、大森、田柄など定員割れ常連校もあるから。

残念ながら23区の上位校で低倍率(実倍率1.2以下)はほぼありません。2025年度入試では目黒1.12倍と小松川1.12倍くらい。

◆どうしても都立に行きたいなら○○を狙う
上記の通り、倍率が出なければ必ず都立高校に入れます。

ではどこを狙えばいいか。お薦めは「専門学科」です。
商業高校、工業高校などかつて職業科と呼ばれていた高校ですね。

商業高校は9校あるが、2025年度一般入試では6校が定員割れ。

千早(ビジネスコミュニケーション科)と、葛飾商業・第五商業(ビジネス科)のみ不合格者が出ました。

千早高校はまったく定員割れになりません。
その理由の一つが交通の便の良さでしょう。東京メトロ(副都心線、有楽町線)と西武池袋線で通えるから。
池袋から2駅というアクセスの良さは奏功しています。近隣の豊島高校、板橋高校も同様に。

工科高校も16校のうち13校が定員割れ。
定員割れしなかった高校であっても、
蔵前工科 →不合格1名
府中工科 →不合格2名
工芸   →不合格66名

のように「ほぼ全入」も含めれば、工芸高校以外は簡単に合格できるのが実情です。

総合学科も10校のうち3校が定員割れ。
以前よりは人気が上がってきています。

学力が真ん中より下のキミへ。

馬鹿の一つ覚えで「とりあえず普通科」と考えるのは止めておこう。
高校卒業後のことを考えたら、勉強嫌いなキミは専門学科の方がまともに授業を受けられると思うがどうかな。