2019年 第2学期の都立転学について

結論から言う。
都立高校への転入は難しい。
簡単に考えない方が身のためだ。

2学期の転学について、都教育委員会のホームページが先週11日に更新された。

http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/admission/high_school/transfer/release20190628_01.html

転学と編入の違いなどは、過去記事を読まれたい。

一言でいうと、
・前の学校に在籍しながら受けるのが転入試験
・高校などを一度やめてから受けるのが編入試験

<過去記事:都立高校の転入と編入のちがい

高校1年生のみ、現在通っている学科(コース)と同じでなくても転入試験を受けることができる。
それ以降は同一の学科のみにしか行けない。

例えば、今年の春から普通科に通っている子なら、商業科や農業科に移ることが可能。3学期以降は不可能になる。

◆転入試験は、一般入試の4倍ムズカシイ 
都立高校の一般入試は、全日制普通科でも1.5倍を下回るところが多い。合格率でいうと67%程度。

しかし、転入試験は合格率は20~25%
100人が受けたら70~80人が落ちる計算だ。

学年が上がるごとに、合格率は下がっていく。
一般入試は定員までは全員受かるが、転入試験は定員が10人の場合でも1人も受からないことがザラだ。

「定員が多いから受かるでしょ」
みたいに気軽に受けてはいけない。

そもそも転学試験を受けたければ、いま在籍している高校の先生にその旨を伝えなければならない。

ある私立高校では「転入試験を受けるなら、たとえそこに受からなくてもウチの高校は辞めてもらう」と言っていた。

◆できるなら転入は考えない方がいい
転入の制度はあくまで「都立高校の定員に空きがあるのなら、入れても人数的には問題ない」という観点から設けられたもの。

高校側としてはできれば受け入れたくないのが本音だろう。
手続きに手間もかかり、転入生のために仕事も増える。

一度転入した子は、また高校を辞める可能性もある。
都立高校にとってリスクは大きく、リターンは少ない。

その転入生を受け入れることで高校側に大きなメリットがあるのなら合格させるが、そうでないのなら進んで受け入れることはしない。

そのメリットとはズバリ大学合格実績だ。

例えば、日比谷高校に在籍している子が鷺宮高校の転入試験を受けたら、行動に問題がない限りまず合格するだろう。

大学受験の時に合格実績を稼いでくれるだろうから。
進学校を目指す鷺宮にとってはメリットが大きい。

逆に、杉並高校に通う子が鷺宮高校への転入を希望したとすると、ほぼ100%落ちるだろう。
受け入れる鷺宮にとってのメリットが見えず、リスクだけを抱える可能性があるから。

数字から考えれば、引っ越しで通学事情が変わった場合を除き、都立高校へ転学することは難しいと心得ておこう。