【後編】推薦入試・一般入試 どちらを選ぶべきか

[2020年9月26日 更新]
3回目。

今回は「一般入試の一本に絞るべきと考えている」理由をお話しする。

受験の仕方で万人にとっての正解などない。
あくまで一例だと考えてもらいたい。

「こういうケースだってある」「ウチの子は違うけど合格した」などと思うのであれば勝手にそう思っていただきたい。否定はしない。

◆一般入試で合格した方がいい
2次募集以降を除けば、都立の受験パターンは5通り。
1. 推薦を受けて合格
2. 推薦を受けて不合格 → 一般を受けて合格
3. 推薦を受けて不合格 → 一般を受けて不合格
4. 推薦を受けない → 一般を受けて合格
5. 推薦を受けない → 一般を受けて不合格

高校受験をゴールと考えるなら合格さえすればいい。1か2か4だ。

推薦で合格するデメリットが1つある。それもとてつもなく大きなものだ。
それは高校入試を受験する経験を一生できないということ。

むろん推薦入試も受験ではあるがペーパーテストがない。小論文(または作文)と面接だけだ。

中学受験経験者は知っているだろうが、入試本番のプレッシャーは尋常でない。試験中に嘔吐する子もいるほど(体調不良の場合もある)

高校受験も質は異なるが似たようなもの。あの緊張を乗り越えて合格を手にするという体験。重圧に負け不合格になるという体験。どちらにせよ15歳の時にしか経験できない貴重なもの。

これをみすみす棒に振るのは、私からしたらもったいないとしか言えない。

もちろん推薦入試で受かった方がいい子もいる。
・そういったプレッシャーに弱い受験生で、是が非でも都立に受からねばならないような家庭の場合。
・どうしてもその学校に行きたいが、テストでは点が取れない。幸い調査書点は抜群である場合。

逆に
・受験をなめていて、推薦で痛い目を見た方がいい子。

にはぜひ推薦入試を受けて欲しい。そして落ちて欲しい。

推薦不合格が確定後、3週間で勉強に向き直るようであれば推薦に落ちた効用もあると言える。

◆3週間で人は変われる
推薦入試で合格が決まることにはデメリットがある。

最も成長できる3週間をふいにしてしまうのだ。

合格が決まってからも勉強を続ける子はまだまし。たいていは合格が決まれば気が抜けてしまう。勉強などするはずがない。10人に1人いるかどうかだ。

学力が中下位の子なら、まず100%勉強しなくなる。
上のお子さんがいる親御さんなら経験済みだろう。

受験直前の3週間での学力の伸び。

これを捨てることがもったいなくて、私には推薦のみで都立高校受験を終えさせることができない。

受験についての考え方は百者百様だろう。
あとは受験生と保護者で決めればいい。