都立入試数学 大問5 きっぱりあきらめる

[2025年6月2日 更新]
都立高校で受かるためには、合格点を取ればいい。
「少しでも高い点を取ること」は理想だがリスクもある。

制限時間のある入試では、“捨てる問題”を見極めることも重要だ。
今回はそんな話をしたい。

◆最終問題は手を出すな
この表は、都立入試数学の大問5「空間図形」の正答率をまとめたもの。

 年度  問1  問2 
202433.3%22.8%
202312.5%3.2%
202229.9%1.2%
202120.2%3.6%
202038.3%2.4%
201957.6%12.9%
201820.6%14.6%
201733.8%2.6%
201633.6%2.5%
201563.5%4.6%
201452.5%7.2%

データは都教育委員会が公表している「東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査報告書」から抜粋している。

古いデータはもう都教委ホームページにはないが、昨年度のものはまだ見られる。
<出典:平成31年度東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査について

表を見れば私の言いたいことが分かるだろう。

最終問題である大問5の問2は、正答率10%前後である。
5%未満が過去10年間で7回もあった。
正答率2.5%で偏差値70程度と考えれば、そういう偏差値の子の多くは自校作成校を受ける。
共通問題校の受験者は、ほぼ解けない問題である。

駒場、小山台など上位校の受験者で「数学90点じゃ足りない」という状況の子なら解くべきだが、普通の受験生にとっては「時間を割いてはいけない問題」である。

とどのつまり捨てたほうがいい問題だ。

ちなみに2015,2016,2017,2020,2022年度の各入試数学において、もっとも正答率の低かった問題が大問5の問2だった。
この問題に時間を割くくらいなら、大問2の問2で途中点を稼いだ方がいい。

◆2026年度は難問まったなし
例外は2024年度。
問1は例年程度だが、問2の正答率22.8%と近年まれに見る易しさだった。

なので、2025年度入試は高難度になると予想したが易しめだった。
正答率10%以上は間違いない。

大問5の問2、手を付けてみるのはOKだが、入試本番では深追いしないこと。引く勇気も必要。
入試本番で何より貴重な時間を浪費するのは避けたい。

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