数学が苦手な中学生、2つの理由<前編>

[2025年9月10日更新]
長年、塾の仕事をやってきて
”数学・算数の苦手な子”には共通点があるという結論に至っている。

今回はその話をしたい。
これから中学生になる、小学生のお子さんをもつ保護者にも読んでもらいたい。

◆算数が苦手な子<1>国語力がない
文章題が苦手な子は少なくないが、まず間違いなく国語力がない。

つまり「何が分かっていて、何を問われているのか」が理解できないのだ。そりゃ解けない。

例えば、

赤いリボンと白いリボンがある。
白いリボンは赤いリボンの0.8倍より3cm長く、127cmある。
 赤いリボンの長さは何cmか。

もちろん算数の問題だが、解けない中学生もいる。

文章題に小数や分数が加わっただけでお手上げ、と考えてしまうのだ。

こういった問題を解くとき、お薦めなのは可視化すること。

分かりやすく言うと、図や絵で考えることだ。
リボンの絵を2つ書く。つまり線分図で考えればいい。

ところが国語力のない子は、これができない。
「何が分かっているか」を表現できないのだ。

またこういう子ほど間違いを嫌がる。勉強していて間違えるのは当たり前。恥ずかしいことでもカッコ悪いことでも何でもない。

でも間違いを認めず、同じ間違いを繰り返すのは究極にカッコ悪い。

間違えてもいい。
そういう環境を作ってやることこそ、大人が子供にやってやるべきことだ。

国語力をつけるのには時間がかかる。
定番で申し訳ないが、本・文章を読む習慣こそが国語力アップには欠かせない。

◆どうしたら子どもが本を読むようになるか
これは簡単。2つのポイントを押さえるだけでいい。

・読書を強要しない
・親が楽しそうに本を読んでいる

周りの大人が、時間があるごとに本を読んでいる姿を見せていたら、そこにいる子どもが興味を持たないわけがない。

上記の2つのポイントを押さえていて「それでも本は嫌い」という子を、私は見たことがない。

間違っても「本を読め」と言いながら、大人がスマホをいじっている姿を見せてはならない。
子どもの前でスマホゲームをやっている姿を見せることに、1つも教育上のメリットはないと思っている。

大人はゲームをするな、と言っているのでない。やりたければやってもいい。
ただし子どもの前ではやるべきではない、と言いたい。

子どもが宿題をやっている横で、親がスマホゲームをやっている。
こんなおぞましい光景はあるだろうか。

無論、これらは私の価値観。
「私はそうは思わない」というのなら、どうぞあなたのお考え通りにしたらよかろう。

人生は自己責任だから。