都立入試数学 標本調査は出ない

[2025年3月4日更新]
2008年に学習指導要領が変わり、数学に「標本調査」が加わった。

「資料の整理」が加わったのもこの時だ。
<過去記事:都立高校入試数学の法則<3> 確率と資料の整理 これが出る

「資料の整理」は都立入試でも出題されるが、「標本調査」は2025年度まで一度も出たことがない

なぜか。理由は2つあると考える。

◆理由1 最終単元だから
東京書籍の教科書「新しい数学3」の単元は
 1章 多項式
 2章 平方根
 3章 2次方程式
 4章 関数 y=ax²
 5章 相似な図形
 6章 円
 7章 三平方の定理
 8章 標本調査

ごらんの通り、標本調査は最後。

中学校の授業の進み具合によっては、教科書後半部分をササっと終わらせるケースがある。数学ではあまり聞かないがね。

コロナ禍の2021年度入試は、「三平方の定理」と「標本調査」が除外範囲に指定された。

◆理由2 簡単だから
はっきり言って「標本調査」は簡単。

比の方程式を使えば中1でも解ける。中学受験算数を知っているなら小学生でも解ける。
試しに下の問題を考えてごらん。

例題:
ある工場で完成した製品250個を検査したところ、3個の不良品が見つかった。
この工場の製品6000個では、約何個の不良品があると考えられるか。

解答:
求める不良品の数をxとおく。
製品と不良品の比は250:3だから、
250:3=6000:x を解けばいい。

もちろんx=72となるので、答えは約72個。

別解:
250個のうち不良品は3。
不良品の割合は 3÷250=0.012(1.2%)
6000個のうち0.012が不良品になると考えれば、
6000×0.012=72

簡単でしょ?