校長会調査と実際の倍率の差は<2>

[2020年1月10日 更新]
毎年恒例の「都立高校全日制等志望予定(第1志望)調査結果」が都教育委員会のサイトで発表された。

いわゆる「校長会調査」である。

◆校長会の人気校が、実際も人気なのか
この言葉の真意を確かめるべく調査した。

以下は2019年1月発表の校長会調査結果(左)が、実際にどうなったか(右)をまとめたもの。
全日制普通科のみであり、単位制は含んでいない。

男子は戸山高校を除き、2倍超の高校は応募倍率を下げている。
高倍率を敬遠してのことだろう。

女子はトップ5のすべての高校が応募倍率を下げている。
とはいえ、小平高校以外は変化の差が小さい。
女子の方が、”倍率高めで安定”になる傾向がある。
こだわりが強いのが女子だからだ。高校選びについては女子の方が圧倒的に頑固である。

中下位では、男子の方が「合格できるなら志望校を変えてもいい」という子が多いと思っている。

◆2019年度入試で応募倍率が2倍を超えたのは
<男子>
 戸山 2.51
 日比谷 2.47
 青山 2.18
 豊多摩 2.11
 田園調布 2.01

<女子>
 日比谷 2.14
 鷺宮 2.11
 青山 2.10
 小岩 2.10
 本所 2.09
 東 2.07
 豊多摩 2.03
 戸山 2.02
 三田 2.01

すべて23区の都立高校である。
多摩の受験生が23区を受けることは多いが、逆は少ない。

そりゃ高校生になったら、田舎より都会にあこがれるだろう。
学校帰りには八王子や立川ではなく、原宿や渋谷に寄りたいのだろう。

◆「全入あり」なのは11校
逆に応募倍率が1倍未満は男子が7校(八潮、蒲田、大森、田柄、青井、野津田、羽村)
女子が9校(八潮、大森、蒲田、深沢、田柄、光丘、山崎、拝島、野津田)だ。

これらの高校は全入(受験者の全員が合格できる)である。
特に八潮、大森、蒲田は男女とも全入。一言でいうなら”人気の無い都立高校”である。

◆2020年度も見てみよう
こちらは2019年度の2学期に行われた、最新の校長会調査結果。
志願者倍率の高い高校トップ5である。

竹台高校が高い。
部活で活躍したとか進学実績が好調といった話は残念ながら聞かない。
考えられる理由は「新制服」と「新校舎」だろう。
新制服は2020年度から導入、新校舎は2021年7月に完成予定だ。

以下は竹台高校、新校舎建設計画の概要である。
http://www.takenodai-h.metro.tokyo.jp/Takenodai-HP/sub-page/shinkousyakensetsukeikaku.html

新制服といえば、田柄高校も2020年度から新制服が導入される。

でも校長会調査では志願者倍率は
男子 0.72
女子 1.44
外国文化 0.73

ふるわない。
志願者が集らない理由は、ここで言うまでもあるまい。

気になる方は、明日1/11(土)14:00からの高校見学に行ってみるといい。予約不要。
行けば分かる。
http://www.tagara-h.metro.tokyo.jp/site/zen/page_0000000_00286.html

◆倍率に踊らされるな
こんな記事を書いておいて言うのもなんだが、校長会の倍率は気にするな。

どうせ来月には大きく変わる。
キミが受験生やその保護者なら、他にやることはあるはず。
すぐにスマホを切って、行動に移そう。