都立小中高一貫教育校 2022年に誕生

[2020年7月30日 更新]
「一貫校受験」と聞くと、一般的には中学受験をイメージするのではないだろうか。
中高一貫、もしくは中高大一貫校である。特に私立か国立中学校の印象が強い。

しかし、世には小中高一貫校や小中高大一貫校も少なくない。
私立校だと前者は光塩女子、暁星など。
後者は青山学院、学習院、成城学園、成蹊、玉川学園、立教、早稲田実業。慶應幼稚舎もそうだ。

いずれも中学受験も行っており、中学校の人気も高い。

ただし完全小中高一貫校、つまり中学や高校から入学できない学校は田園調布雙葉と聖心女子学院のみ。聖心女子学院は帰国生なら中1から入学はできるが、普通の中学受験はやっていない。

小中高一貫校は、よほどのことがない限り上の学校に進める。

中学受験、高校受験を考えず部活動や習い事などに集中できるというメリットもある。

当然学費はかかるが、それ以上にメリットを感じるのであれば選択肢としてアリだろう。

もっとも小学校受験は、学校側の「ウチに入りたいんでしょ?」という上から目線をどう受け取れるか。
まぁここらは本ブログの趣旨とはズレるので割愛する。

◆国立(こくりつ)の小中高一貫校は2つだけ 
一方、国立の小中高一貫校は少ない。お茶の水女子大附属小学校と広島大附属小学校しかないのだ。

学芸大附属小学校や筑波大付属小学校は全員が中学校に上がれるわけではない(小6児童数 > 附属中進学数)ので、小中一貫校とは呼ばれない。

お茶の水女子大附属は小中学校までは男女共学だが、高校からは女子校になる。

私立なら都内にも小中高一貫校はたくさんある。
青山学院、学習院、成蹊、成城学園、早稲田実業、立教、玉川学園、などなど。

さて本題。

令和4年度から全国初の公立小中高一貫校が、都立立川国際中等教育学校に加わる。
正式名称は未定。今は「東京都立小中高一貫教育校」となっている。

まだ内容は薄いが、ホームページもある。
東京都立小中高一貫教育校ホームページ

現時点で分かっていることを今回と次回でお伝えする。

◆場所
都立立川国際中等教育学校に隣接して建てられる。まだ完成していない。

中等教育学校の住所は以下。
 〒190-0012 
 東京都立川市 曙町3丁目29番37号 

◆応募資格
確定事項ではないことはご承知いただきたい。
あくまで現時点でのものだ。

通学区域
児童にとって負担過重とならないよう、小中高一貫教育校までの所要時間が40分以内にあ る鉄道の駅やバス停を含む区市町村又は地域を、通学区域とする。 

参照:都立小中高一貫教育校入学者の決定方法に関する検討委員会 報告書 

中等教育学校は都内ならどこでも受検できる。

だが小学校はさすがに通学区域を設けるようだ。江戸川区や足立区から通うのは小学1年生にとって酷だろう。

出願時に、指定した通学区域内に保護者とともに居住し、入学後も引き続き、指定した 通学区域内から通学することが可能な者

参照:都立小中高一貫教育校入学者の決定方法に関する検討委員会 報告書

受検のときだけ住民票を都内に移し、実際は他県から通うということはできない。
これは都立高校も同じ。

あくまでルールなので、だまそうとして保護者が実行してもバレない可能性はある。
まぁ止めた方がいい。

募集人員
募集人員は80名とする。また、男子40名、女子40名とする。

参照:都立小中高一貫教育校入学者の決定方法に関する検討委員会 報告書 

2クラス分ということだろう。

3クラスだと割り切れない。20名の4クラス制にはしないだろうね。

◆入学者決定方法
現時点では3段階。

国立の筑波大附属小やお茶の水女子附属小と同様である。
第1次(抽選) 
第2次(適性検査) 
第3次(抽選) 

第1次(抽選) 

受検者が一定の応募倍率を越えた場合は、抽選を実施し、第1次(抽選)当選者を決定する。 第1次(抽選)当選者は、第2次(適性検査)を受検することができる。 

第2次(適性検査) 

ア 適性検査の実施に当たっては、都立小中高一貫教育校の教育理念及び教育方針に基づき構成した適性検査を実施する。 

イ 検査方法としては、実施日数や時間等、受検者にとって負担とならないような内容で設定する。 

ウ 検査内容については、5歳児の発達の段階を考慮し、「遊び」の要素を取り入れて作成する。そこで、幼児が興味や関心をもって、工夫して行動したり、他者の意図を理解して対応したり、自ら考え、判断したりするものなど、様々な内容を組み合わせて実施するなどして、都立小中高一貫教育校の「生徒の将来の姿」と照らして設定した能力等を把握することができるようにする。 

エ 検査時のグループ分けについては、男女混合のグループを基本とする。 

オ 評価については、評価項目(例:コミュニケーション能力等)ごとに適性の有無等を総 合的に判定する。 

カ 第2次(適性検査)において、一定の基準を満たした受検者を第2次合格者とする。 

第3次(抽選) 

第2次合格者が募集人員を上回っている場合は、第3次(抽選)を実施し、最終合格者を決定する。
抽選で最終合格者とならなかった受検者については、繰上げ合格の順番を決定し、 入学候補者(最終合格者のうち、入学手続きをした者)が募集人員に満たない場合に、繰上げ合格者を決定する。 

参照:都立小中高一貫教育校入学者の決定方法に関する検討委員会 報告書

倍率はもちろん、どの段階でどのくらいに絞るのかは発表されていない。

また月齢(=生まれ月の違い)で受検者をわけるかどうかも不明。

一般的には4月生まれと比べ、早生まれの方が知能・身体の成長とも遅れているケースが多い。筑波大附属小学校などは、月齢で受検生を3グループに分けている。

繰り上げ合格についても、受検時期が分からないのでまだコメントしにくい。
おそらく私立、国立小学校のお受験が終わってからの実施になると思う。

国立小学校は12月に最終発表なので、都立小は1月発表ということもありうる。あくまで推測ね。

では適性検査とはどんなことをやるのだろうか。

次回、8/1(土)の記事を待たれよ。
明日は”登録者限定公開”記事。

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