2023年度 都立高校入試の基本<1>調査書点

[2022年3月29日 更新]
これから都立高校入試に臨む中学生やその保護者に向けて、都立高校入試の仕組みを簡潔にお話ししていく。

2023年度入試の詳細はまだ公表されていないので、現行の制度が中心だ。

それでも困らないようにする。安心なされよ。

◆中3二学期のみを利用する
都立高校入試では調査書点というものを使用する

通知表の9教科評定(5~1)を合計したものが調査書点となる。計算式は後述する。

シンプルに言えば、通知表の点が高いほど都立高校入試では有利ということ。

点が高いデメリットは1つもない。

どの通知表を見るのか。
中3の二学期通知表。これだけである。中1~2の成績は考慮されない。

たとえ中2で通知表オール1でも、中3二学期はオール5なら調査書点は満点扱いとなる。

断言するがこんなことはまず起こらない。中2で悪い成績を取るメリットが何もないのに成績の悪いような奴は、中3で急に切り替えることなどできないからだ。

嘘だと思うのならぜひ試してみたらいい。

注意してほしいのは中3の二学期の成績を付ける際は、一学期の成績も見られるということ。一学期と二学期の両方の成績が良くなければならない。

とは言え、中学校の先生も鬼ではない。1度くらいテストで失敗しても大きな減点はされないだろう。先生に好かれているという条件は付くが、このBlogを読んでいるような聡明な諸君は問題あるまい。

◆一般入試では実技重視
では9教科の評定はすべて平等なのか。答えはNo。「実技4教科のみ2倍」扱いとなる。例えば音楽の評定「4」なら2倍の8点扱い。

5教科(国,社,数,理,英)→5点満点×5教科=25点満点

4教科(音,美,保体,技家)→10点満点×4教科=40点満点

これは都立入試では実技4教科のペーパーテストがないためという理由がある。

1966年までは全都道府県の公立高校が9教科受験だった。文部省初等中等教育局長通達が1966年にあり、1967年度からは9教科実施が46→23都道府県と半減。9教科受験を実施している都道府県は1968年度は6、1969年は3とどんどん減り、1981年度は1県のみになった。

実技教科も公立中学校で教える教科だから、公立高校受験では見る必要があるという理由からだろう。その点は別にいいのだが、2倍にする理由にはなっていない。

2015年度までは実技教科の調査書点は1.3倍扱いだったのだから。

都立高校で中上位(豊島、井草あたり)を目指すのなら実技教科の先生に好かれることが必要だ。

◆推薦入試では教科間の差はなし
推薦入試は教科間で差はつかない。すべて1点扱い。

ただし総合得点のうち5割が調査書点で決まる。残り5割は面接と作文・小論文だ。※一部校を除く
実技教科に限らず、通知表の点がいい方が有利なのは変わらない。

◆3を4にせよ
キミが中学何年生だろうが、目の前の定期テスト・通知表の点を上げるべきなのは変わらない。特に3は4に上げやすい。

通知表に3があるなら、4に上げる可能性の高い科目を選び、次の定期テストや小テスト、提出物で点を上げる意識をするといい。

きっと好い目を見られるぞ。