都立推薦入試の 集団討論で満点を取る方法<前編>

[2020年1月15日 更新]
あと2週間弱で、都立高校の推薦入試が始まる。
多くの受験生が不安に思っている「集団討論」の心構えを伝える。
受かるための集団討論攻略法である。

◆上手に話そうとするな
間違った認識を持っている者も多いので、確認しておく。

そもそも中学生がまともな討論をできるとは、試験官も期待していない。

多くの中学生は、本当の討論をしたことなどないだろう。せいぜい”討論ごっこ”が関の山だ。

無論、キミ達をけなしているわけではない。
ほとんどの子がそうであり、恥じることでもない。

その上で知っておいてほしい。
都立高校入試の集団討論とは、
 1. 議論を交わすものであり、相手を論破するものではない
2. 誰よりもいいアイデアを出せば満点がもらえるわけではない
 3. 同じグループ内で順位をつけるものではない。グループ全員が満点もありうる

順に説明していくが、まずこの3つを覚えておいてほしい。
しゃべりがうまい宮根さんや明石家さんまさんなら満点合格するわけではない。
(さんまさんはしゃべりも達者だが、聞くスキルが段違いにすばらしいので満点を取るかもしれないが)

◆1. 議論を交わすものであり、相手を論破するものではない
討論の”“という文字で誤解する者もいよう。

しかし都立入試の集団討論は、理論で相手を打ち伏せることではない。

1ついいものを見せよう。
以前、戸山高校が公表していた「推薦入試の評価の観点・評価規準」である。かなり細かく教えてくれていたのだ。

現在はもう公表していない。

<参考:都立戸山高等学校 入学者選抜 推薦に基づく選抜評価の観点

それによると評価の観点・規準は

コミュニケーション能力
○ 討論を活性化させようと、他の受検者の考えを整理したり、テーマに沿った討論となるように発言したりするなど、討論の流れを作ることができる。

○ 他の受検者の質問を的確に理解して回答したり、自己の考えを他の受検者に正しく理解させたりすることで、円滑な意思の疎通を図ることができる。

思考力・判断力・表現力
○ 与えられたテーマについて、自らの経験や知識等を組み合わせて論理的に考察することができる。

○ 他の受検者の発言の趣旨等を踏まえつつ、与えられたテーマに対して大局的に判断することができる。

○ 他者の理解の程度や考え方を把握しつつ、多様な表現方法により自己の考えを相手に分かりやすく伝えることができる。

協調性(将来性、リーダーシップ)
○ 相手の思いを受け止めたり、発言数が少ない者への対応をしたりするなど、適切な配慮ができる。

赤字に注目してほしい。

「他者に対してどう配慮できるか」が評価規準の大半を占めている。
しゃべる内容以上に、意見を受け取る態度で採点されるのだ。

6人で集団討論をやっていれば、1人あたりしゃべる時間はせいぜい3~4分。大半の時間は「誰かの意見を聞いている」のだから、聞く態度で採点されるのは当然だろう。

相手の話を聞いていますよ、というアピールをすることで得点を稼ぐことができる。

大切なのは「話を聞くこと」ではなく「話を聞いていることを試験官に気づいてもらうこと」である。

◆使えるフレーズはコレ
必ず相づちを打つこと。

これが「聞いてますよアピール」になる。
相槌は、うなづくだけでなく言葉でもアピールしよう。

 ・〇〇という考えは、私もいいと思います

このフレーズが鉄板。笑顔で言えば最高だ。

相手の意見を否定することは絶対にNG。採点される集団討論において、リスクでしかない。
「聞いてますよアピール」とともに「協調性ありアピール」もできる。

とにかく肯定的にいけ。
続きは明日お話しする。