2020 豊島・石神井・広尾・雪谷を比べてみた

[2020年7月29日 更新]
都立中堅校である豊島、石神井、広尾、雪谷。
今回はこれらの高校の最新数字を比べてみる。

4校すべてに通いやすい所に住んでいる者は少ないだろう。だが「2校で迷っている」受験生はいるはず。
そんなキミに高校選びのイチ意見として読んでほしい。

今回の比較はあくまで数字。校風とかは一切含まない。ただし校風が数字に影響を与えていることはある。

◆最新情報はこちら

各高校のホームページ、令和2年度学校経営シートからの情報を集約した。

指定校推薦枠は旺文社の「2021年度 入試用高校受験案内」を参照している。
赤字は4校の中で最も数字の大きいもの。

◆広尾が一歩後ろ
残念ながら、この4校中では大学進学率やセンター試験受験率を見る限り「広尾は大学進学向きではない」と読み取れる。

広尾の大学進学率は、64%→64%→63%→57%と4年間でじわじわ下降中。
参照:平成28年度 都立学校・学校経営シート

参考までに同レベルかやや下の都立高校も見てみる。

2020年春の大学進学率は、
向丘高校 74%
深川高校 74%
武蔵丘高校 70%
江北高校 70%
杉並高校 66%

同じ旧2学区で1ランク下の松原高校が56%。足立高校も56%と同水準。

ちょっとまずい状況にあることは、同校関係者はとっくに気づいているだろう。

逆に雪谷は大学進学率が高い。
最近5年間で最も低かったのが2016年。それでも74%だった。
大学進学率が高い=いい学校とは断定できない。

それでも周りに影響されやすい高校生は、「現役で大学に行く」という雰囲気に包まれていた方がいいと私は考えている。

◆国公立大合格数はどんぐりの背比べ
各校とも10名前後。

広尾は今春の結果が発表されていないが、2017~2019年春の現役での国公立大合格者数は3→2→2。
現状の広尾高校から国立大に進むのは、まず不可能と考えた方がいい。

恐ろしいのは卒業後の進路が「その他」の割合。たいていは浪人生である。
広尾 33%
豊島 20%
石神井 13%
雪谷 6%

広尾は3人に一人が進路未決定。
では浪人して上の大学を目指しているのかというと、そうとも言えまい。

2019年春、広尾の浪人生の大学合格実績を見ると、
MARCHには5名(法政3,明治2)のみ。
早慶上理は早稲田が2名。
国公立は0である。

これでは他の高校を差し置いて広尾を教え子に薦めるのは、さすがに気が引ける。

◆入試倍率は水物
入試倍率は年にもよる。「去年は低かったから今年も低い」とは限らない。

「去年は低かったから今年は狙い目」と見る受験生もいる。

今春は豊島高校が一般実倍率急騰。

過去4年の推移をみると
 男子 1.42→1.43→1.39→1.80
 女子 1.58→1.34→1.38→1.73

新制服&新校舎の効果もあるだろう。
新校舎はこれから完成するので、来年度も実倍率1.5倍以上は堅持するだろう。

石神井も男子は上がり続けている。女子はやや落ち着いたがまだ高い。
 男子 1.41→1.63→1.69→1.75
 女子 1.68→1.90→1.86→1.80

石神井の成長は模試偏差値でも分かる。

お時間があれば読んでいただきたい。
<過去記事:8年で、偏差値がどう変化したか<旧3学区>