都立高校入試理科の法則<7> 大問5では何が出るか

[2025年7月12日 更新]

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今回も都立入試の理科の出題傾向を説明する。
今回は、化学分野が出る大問5について。

◆正答率は低め 
大問5の正答率は過去10年間で以下のように推移している。

 2025年度 39.6%
 2024年度 49.9%
 2023年度 43.3%
 2022年度 47.3%
 2021年度 25.1%
 2020年度 30.0%
 2019年度 58.7%
 2018年度 36.4%
 2017年度 62.6%
 2016年度 41.4%
 2015年度 33.5%

他の分野と比べて正答率は低い。

例えば「酸化と還元」では質量比の計算問題が出されるため、”なんとなく”では正解できないからだ。
2019年度は正答率が高めだが、4問のうち「酸化銅を還元したとき、残った物質の質量」が1問あった。
これは、四択問題にも関わらず正答率36.2%と低い。

「酸化と還元」と「中和反応」の計算問題は頻出だが、正答率は低い。
理科で80点以上を取りたいなら、これらの問題を正解する必要がある。

◆出題傾向は酸化と還元,電気分解と化学電池,中和が多め
過去20年間の大問5、出題傾向をまとめた。

年度出題内容
2025酸化銀の還元、炭酸水素ナトリウムの分解
2024水溶液の性質
2023電気分解
2022中和,ダニエル電池
2021炭酸水素ナトリウムの分解
2020無機物と有機物,電解質と非電解質
2019酸化銅の還元
2018電気分解,化学電池
2017酸化銅・酸化銀の還元
2016水の電気分解,中和
2015酸化マグネシウムの化合
2014化学電池,気体の発生
2013中和
2012還元,気体の発生
2011気体の発生
2010酸化銅の化合
2009酸化銅・酸化銀の還元,炭酸水素ナトリウムの分解
2008水の電気分解,気体の発生
2007炭酸水素ナトリウムの分解
2006気体の発生,酸化銅の化合
2005酸化銅の還元

2022,2020,2018,2016,2014,2013とほぼ隔年でイオンの問題が出ている。

2019年度は大問1で1つだけ中和の問題が出たが、大問5では一切出ていない。

去年出ていないことから2026年度入試ではズバリ、中和反応の計算問題が出ると予想する

なお2012年度以前でイオンの問題が一切ないのは、中学校でイオンを教えていなかったから。
今、振り返れば異常なことだ。

もっとも現在でも、中2で水の電気分解を学んでから、中3でイオンを教える。
しかも中3でも、「OH-」がなぜ酸素になるのかの説明はされない。

興味がある人は、以下のサイトが分かりやすいだろう。
これでも理解できなかったら、あきらめてもいい。

簡単でわかりやすい「水の電気分解」!なぜ水酸化ナトリウムを入れるの?陽極・陰極の反応式も元塾講師が詳しく解説 – Study-Z

◆イオン化傾向は覚えておく
詳しくは以前の記事にまとめている。

この記事では、大胆にも”2020年度入試で出る単元”をズバリ予想していた。
実際どうだったか。時間があれば読んでほしい

<過去記事:都立高校入試理科の法則<1> 都立に出るイオンは8つ

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