[2019年12月6日 更新]
この時期、中学3年生を対象に”面接の練習“を行っている区立中学校もある。
塾に通ってくれている中3の子からこんな相談を受けた。
「話していることが分かりにくいと先生に指摘された。どうしたらうまくしゃべれるか」
たしかに中学生は、相手に物事を正しく伝えるトレーニングをする機会が少ない。
もちろん普段の会話でも培われるのだが、相手が友達やオトナならなんとなく察してくれるものだ。
だからそれに甘え、正しく分かりやすく相手に伝えることを意識しない、
これは中学生が悪いのではなく、聞く側のオトナの責任だと思っている。
オトナが正しく、何を伝えるべきかを教え導いてやらねばならない。
例えばこんな会話を私はしている。
生徒 「先生。宿題をやったノートを家に忘れてきました」
おりぐち「で?」
生徒 「今日は宿題出せません」
おりぐち「で?」
生徒 「来週の授業の時に持ってきます」
おりぐち「それはだめ。他に方法はないかい」
生徒 「じゃあ明日、自習に来るときに出します」
おりぐち「OK。もし明日、持ってこなかったらどうしようか」
生徒 「月曜の授業の時に持ってきます」
おりぐち「それはだめ。絶対に明日持ってくるためにどうしたらいいかね」
生徒 「今日帰ったら、カバンに宿題を入れればいいです」
おりぐち「OK。それは忘れずにしなさい。」
自分で言うのもなんだが、嫌なオトナだなおりぐち。
私が「で?」と言うのは、「私が知りたい情報が足りませんよ」という意味である。
もちろん、塾に入ったばかりの子や小学生にはこうは言わない。わずかにマイルドにする。
私が指導すべきは「繰り返さないためにどうしたらいいかを、生徒に考えさせること」だ。
そのために口うるさいオッサンと思われようが構わない。放っておくほうが恐ろしい。
1回は痛い目・辛い目に遭って、「もう繰り返すまい」と思えたほうがその子にとってはプラスになる。そう思っている。
◆一文一義と言葉足らず
言葉を話すのは「伝えたい情報を相手に理解させる」ためである。
文を書くのも同じ。
だから、相手が理解しやすい内容にすべきだ。
そのポイントが「一文一義」と「言葉足らず」だ。
<悪い例>
「私が貴校を志望した理由は、大学受験指導に力を入れており、国公立大学への進学率が年々高まっているからです。」 |
上の例。別に悪くないと思うかもしれない。
もちろん、伝わらないわけではない。が伝わりにくいのだ。
理由1:文が長い
1つの文で伝えたいことは1つ。せいぜい2つにすべき。
聞いている側は、1文がどこで終わるかが分からない。だから1文を短くすることで相手は話を区切って理解しやすくなる。
「一文一義」とは、一文のうちにひとつの「伝えたいこと」だけを盛り込むこと。
文を書く上での鉄則でもある。
理由2:理由がない
志望動機とは「私がこの学校に入りたいと思ったきっかけ・原因」である。
大学指導に力を入れ、国公立大への進学率が高まっているのはその高校の事実である。
で、キミはなぜこの高校に入りたいのか。その理由を面接官は聞きたいのだ。それがない。
<いい例>
「私が貴校を志望したいちばんの理由は、大学受験指導に力を入れているからです。しかも国公立大学への進学率が年々高まっているとうかがっています。私は北海道大学で農業を学びたいと考えています。同じような考えを持つ先輩や同級生の中で、努力します。」 |
どう変わったかお分かりだろうか。
「一文一義」とし、自分がその高校でやりたいこと・達成したいことを明確にしている。
◆まずは語数を減らす
面接では緊張のあまり、つい多くしゃべってしまう。
だが、同じことを伝えるのならなるべく短い言葉の方がいい。長いほど相手は理解しにくくなるからだ。
必要なことだけを短い文で伝える。こ
れは普段の会話でも訓練できる。
そして、作文・小論文を書く上でも大切な技術だ。
意識して会話するといい。
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