9月新学期スタートは本当にメリットがあるか

[2020年4月30日 更新]
9月新学期制度の導入が検討されている。

これは北米・欧州諸国が9月新学期制度を採っており、それに合わせるためだろう。

ここで考えたいのは「本当に日本は9月を新学期にした方がいいのか」だ。
たしかに海外の大学へ入るときには、新学期スタートが日本も同じ方がいいのかもしれない。
が本当にそうだろうか。

まず、日本人が留学先に選ぶ上位5国を調べてみた。
参照:2018年度日本人学生留学状況調査結果

1位 アメリカ合衆国 17.3%
2位 オーストラリア 8.7%
3位 カナダ 8.7%
4位 韓国 7.1%
5位 中国 6.9%

1~5位で全体の48.7%と約半分を占める。

トップ10で欧州の国はイギリス(6位)、ドイツ(10位)のみ。
トップ10のうち9月新学期なのは
アメリカ、カナダ、中国、イギリス、ドイツの5つ。

確かに9月スタートの国は多い。
では世界の国々の新学期、何月から始まるのか。
調べてみた。

参照:外務省HP

◆北米、欧州は9月スタート

ご覧の通り、8月末から9月からスタートに集中している。

◆アジアはさまざま

西アジアは9月が多い。

東南アジアは1月や6~7月などばらばら。中国は9月スタートだ。
留学数4位の韓国は日本と近い3月スタート。

日本と同じ4月スタートは少ない。インド、ネパールくらいだ。

◆南米は2パターン

南米は「2~3月スタート」と「8~9月」に分かれる。

面白いのはエクアドル。同じ国でも場所によって新学期の時期が異なるのだ。
アフリカは欧州同様に9月スタートが多い。

結論。
欧州や北米も含め、世界では9月に新学期スタートが最も多い。
他方でアジア、南米、オセアニアでは1~3月スタートが多い。

確かに世界では9月スタートがスタンダード。
けど、日本もそれに合わせる必要はあるのだろうか。

高校3年生を3月で卒業。半年後の9月にアメリカの大学に入学。何も問題はない。

あえて言うとしたら、「4年後に大学卒業した後、日本の新卒一括採用に出遅れること」くらいだろう。

だけど、海外の大学を出た後、日本の企業に就職するのだろうか。

そのまま海外にいるという選択肢もある。もちろんビザは必要だが、日本人ブランドは海外での信用が高くビザは取りやすい。

日本の外資系に就職する方法もある。企業は優秀な若者を求めているから、4月でなくても就職は充分可能だ。

最後に私の考え。
「無理があるなら9月スタートに切り替える必要はない」だ。

4月に新卒一括採用にこだわることはない。

繰り返すが、優秀な若者は企業に引っ張りだこだから。そういう若者は普通の企業に就職しない道を選ぶことも多いから稀少な存在なのだ。

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